the orange bucket

「踊り隠れ海老」

October/13/’02 後浜1号ブイ

ノンダイバーな皆様がこの写真を見ても、
何が写ってるのかさっぱり解らないと思います。
ダイバーな皆様からも、
「何でぇ・・・」
って声が、聞こえそうです。
絞り解放で、柔らかな雰囲気を・・・、って言うのは、
初心者が最初に意識する、セオリー中のセオリーです。
囲碁で言うところの定石の中の定石、マヌカン風に言えば、定番の定番、
HDPではマニュアル君って所でしょうか(最後二つは古すぎ)。
ごめんなさい、ちょっとそれましたが、
改めて言うと、メルギブソンとジュリアロバーツの「陰謀のセオリー」です。
・・・なんでやねん。
皆様の評価はなくても、僕は大好きな写真なんですよ。
ごめんなさいね。

「ウツボ」

October/13/’02 後浜3号ブイ

最近何かと、話題の豊富な(?)ウツボです。
最短の2倍撮影でこの大きさです。
まだ、幼魚ですね。
よく見ると、歯も写ってます。
ウツボの歯は鋭くて、噛まれると大変なケガになるので、
気を付ける様に言われてますが、この写真を見る限りでは、
そんなには見えませんね。
ふにゃふにゃのゴムみたいに見えるのは、僕だけでしょうか?
ウツボを見ると、矢野さんの「ウツボの唐揚げ」と「生ビール」を思い出してしまい、
柏島が恋しくなってしまいます。

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「ウミタケハゼの仲間」

October/5/’02 後浜1号ブイ

雑念は一切捨て、彼の地に向かおう。
  その深さ故の静けさと、誰もいない賑やかさと、流れある清らかさの中
   名も知らぬ、その友を訪ねよう。
今はダイビングと言うよりも、写真を撮ることが楽しくて、
「仕方なく」とは言わないまでも、水中写真の為に海に潜ってるという状況で、
本末転倒なダイビングを行っています。
ですが、よく考えてみると、僕もやはりダイバーですね。
潜る楽しさを忘れてる訳ではありません。
深場にいる時は、写真を撮るというよりもダイビングを楽しんでる事が殆どです。
カメラは携えてますが、ただ持ってるだけ、
海底での水圧とか、
タンクに幽閉された大気中の窒素とか、
浮遊感とか、
フィンキックによる加速の妙とか、
フィッシュウォッチングとか、
ウエットスーツのみ許された、緊張と緩和の織りなす快感(※)とか、
さらには、減圧バーに絡まっての、減圧停止も実は楽しい時間だったりします。
ただし、冒頭のように、あのサカナを撮ろうと思ってエントリーする場合は
別ですね。
今回は、この写真のハゼのために、1号ブイの三輪車の更に下まで、向かいました。
この写真はストロボ光を使用せずに、ビデオライトを使って撮影してます。
「静けさ、賑やかさ、清らかさ」を感じとっていただければ幸いです。
 Nikon F4+Nexus F4PRO Micro Nikkor 105mm+Kenko MC7(X2)
 f5 1/15 EL-1530LL(30W)

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「ヒョウモンダコ」

September/22/’02 後浜1号ブイ

タコの擬態って、すごいじゃないですかぁ。
環境に合わせて瞬時に体色を変えるし・・・。
彼らは、知能もすごくあるらしいですよね。
まだ子供の頃、タコの能力を探る実験をNHKのある番組でやってましたが、
それはそれは、チンパンジー並みらしいです。
スクリューキャップのついたガラス瓶の中に閉じこめたカニを、
キャップ開けて食べてましたもん。
ところがですよ、そんな、頭のいい彼らが、
僕なんかにもすぐにバレるのはなぜだかわかります?
彼ら、我慢出来ないんですよ。
僕とタコの距離は10m以上あるのに、僕が近くに行くと動くんですよ。
(えっ、何?)
ってなるじゃないですかぁ。
そしたら近寄るのは人情でしょ?
っで、更にゴニョゴニョって動くから、
(ヒョウモンダコ、発見~)
って、なってしまうんですよね。
ダルマオコゼとかみたいにね指示棒で叩かれてもじーっとしてれば、
絶対わからないのに・・・。
早くから、回避行動とるから見つかって、ストロボの雨嵐なんですよ。
でも、次からは、ちゃんと学習して、ダイバーが近くにいるときは、
絶対動かなかったりして・・・。
この写真では十分表現できてませんが、「青」のスポット、綺麗ですよね。
美しい物には毒があるといいますが、このタコは尋常じゃないらしいです。
危険な毒を持ってるので、噛みつかれないようにおっかなびっくりで撮影しました。
普通のミズダコは、すぐに穴に入ろうとするのですが、
このヒョウモンは、穴には入ろうとしませんでした。
そんな所に、毒を持つ者の余裕すら感じました。

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「ナガサキスズメダイ(幼)」

September/22/’02 後浜3.5号ブイ(2)

特に理由はないのですが、このポジが上がってルーペを覗いた時に、
「ラッシュライフ」が頭をよぎりました。
スタンダード、4ビートのリズムです。
コルトレーンの演奏で有名なその曲ですが、
リンダ・ロンシュタットのボーカルも好きでした。
まだ、学生だった頃、わかりもしないのに、
ジャズなんぞを、よく聞いたりしてました。
「Lush Life」・・・訳は「豊潤な人生」とかでいいですか?
さて、写真ですが、
僕が不用意に彼のテリトリーに入り込んでしまったので、
このナガサキスズメダイは、激しい威嚇行動を行ってる真っ最中です。
巣とおぼしき、枯れ珊瑚の間から、何度も出たり入ったりして、
僕を追い払おうとしていました。
彼の一生の中で、かなり忙しい時だったのかもしれません。
Lush LifeとRush Lifeを安易に比較するのはネイティブな英語を知らない、
僕の浅はかな、語学力のなせる技です(笑)

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「チャーリー君」

September/22/’02 後浜3.5号ブイ

写真は、ミナミアカエソのおチビちゃんで、名前はチャーリー君です。
体長25mmの彼は、表情にまだあどけなさが残っていますが、エソです。
ただ、大人のエソと違うのは、僕が近づくと砂をかぶって隠れることです。
大人のエソは、ぴゅーんと飛んで逃げますが、まだ子供のチャーリー君は潜るのでした。
ちょこんと、顔だけ出して僕の様子を伺ってます。
カメラが近づくと、チャーリー君もどんどん潜ります。
一瞬見失いましたが、ファインダーから視線をはずして、彼を捜すと
つぶらな瞳がこっちを見てました。
これは、そんな一瞬の写真です。
今頃はもう立派なミナミアカエソとして、3.5号付近の砂地を
縦横無尽に飛び回ってるんでしょうね。

「クビナガアケウス」

September/21/’02 勤崎ニューポイント(3)

とうとう、うねりに絶えきれずに、ニジギンポ君は、彼女に会いに行ってしまいました。
そこで、僕もふらふらとしてると、写真のカニを発見です。
水中ではミズヒキガニと思ってましたが、浮上後、図鑑で調べてみると、
クビナガアケウスというカニみたいです。
藻屑に隠れて、一生懸命擬態してますが、僕の目はごまかされません。
でも、うねりと一緒にコロコロ転がってる様は、ゴミとしか言いようがありません。
彼らを見てて不思議なのが、撮影してる僕から逃げているのに、
途中、擬態しながら、食事をするんですよね。
そんな状況でもエサがあれば食べる。
自然界の厳しさを、また垣間見ました。

「彼女に会いたい」(笑)

September/21/’02 勤崎ニューポイント(2)

勤崎ニューポイントの浅場です。
この日はうねりが結構強く、浅場での撮影は困難を極めましたが、
足元と左腕の近くに、身体を固定するためにあつらえたかのような岩がありました。
うねりのまっただ中。
小さな岩の頂点で踏ん張るギンポ君。
そんな彼を撮影するために踏ん張る僕。
息を堪えて、うねりのパターンを読みます。
(うーん、だめだ)
(次に帰ってくるうねりが勝負・・・)
(あっ、ギンポ君動いた)
(ブハーッ)
(僕も体勢を整えてっ)
(よし、次の返り)
(・・・ピンが来てたのに、押せない)
(よしっ)
パシャ
(あっ~、遅かった)
このような、息詰まるやりとりを繰り返しながら出来た写真がこれです。
水中で写真を撮る方はこの瞬間、想像出来るでしょ?
波に押されながら探る、ピントの山。
もの凄いストレスと、シャッター押した後の開放感。
堪りません。
題して、
「彼女に会いたい」
師匠、だめですか?(笑)

「アケボノハゼ」

September/21/’02 勤崎ニューポイント

このハゼは、今まで数え切れない程、写真を撮りましたが、
未だ、まともに撮れたことがありません。
難しい被写体です。
派手な色彩を強調して、鮮やかに撮ろうとするために、胴の部分が白く飛んだり、
逆にアンダーだったりと、構図というよりも色が出ません。
撮影中にストロボの角度を調整しようもんなら、巣穴に引っ込みますし、
そのまま出てこなかったりで・・・。
ダイビングを始めて間もない頃、ハタタテハゼをアケボノハゼだと勘違いしてる事実を知った際、
ホンモノが見たくて、見たくて、うずうずしてました。
ただ、水中でハタタテハゼとアケボノハゼの見分けがつくかなぁと、
若干の不安も感じてました。
ホンモノを見たのは、その後しばらくしての勤崎でのことです。
矢野さんの奥さんが、ニコノスVで、なにやら撮影されています。
僕は何を撮ってらっしゃるのかわからずに、大胆にもすぐ近くに急接近してしまいました。
すると、奥さんは、僕を呼び止めて中層を指さすのでした。
何を指してるのかさっぱりわからずにキョトンとしてると、
もっと近くにくるように指示され、奥さんの指先をじっーっと追ってみると、
背中が大きく開いたベルベットのドレスを身に纏い、
優雅に舞っているオードーリがそこにいました。
僕は、そんなオードリーに、一歩も近づくことも出来ず、ただただ見とれてるばかりでした。
奥さんが、撮影を再開して、ようやく我に返り、アケボノハゼとの対面を再確認しました。
ハタタテハゼも美しいハゼですが、アケボノハゼはもっと美しいハゼでした。
ホンモノを見てみると、間違うわけない程、ハタタテハゼとは全然違ったサカナでした。

「ヤノダテハゼ」だっ!

September/21/’02 後浜3号ブイ

この表情は、平凡ですが好きです。
上体を反らして、胸びれを広げた瞬間です。
ハゼが、こんな表情を見せる時って、どんな時かわかりますか?
彼らダテハゼの仲間達は、じ~っと見てると、
共生エビを呼び出す直前のにこの表情を見せてくれます。
この後、尾びれを振るわせて、エビに安全を伝えます。
エビは、待ってましたとばかりに、いったん顔を覗かせて、
また巣穴に戻って、両腕一杯の砂を抱えて再度登場するのです。
いつもなら、このエビが出てくるタイミングに合わせて、
シャッターを切るのですが、
今回は、あえてこの表情を切り取りました。
誇らしげで、頼もしくて、凛々しいでしょ。

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