the orange bucket
「オルトマンワラエビ」
- 2003-09-10 (水)
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December/29/’02 後浜2号ブイ
ダイビングを始めて最初の頃は、結構気になる生物です。
ウチワや、トサカなどのソフトコーラルの陰に隠れるように生息しているのですが、
かなり目立つので、初心者でも容易に発見できます。
その特異な、まるで蜘蛛のような見た目に
(海の中にも蜘蛛がおるっ!)
って、感覚を柏島で潜る98%の初心者ダイバーが覚えます。
僕がダイビングを始めた頃は「ムギワラエビ」という名前で呼ばれていましたが、
最近になって、「ムギワラエビ」とはどうも違うらしいということがわかり、
「オルトマンワラエビ」と名前が変わりました。
「ムギワラエビ」は、-100m以深の深海に生息しているらしいく、
僕のようなお遊びダイバーが潜れるような水深にはいないようです。
でも外観上では区別するのは困難らしいです (どこかのページにそう書いてありました) 。
じゃあ、ムギワラエビって呼んでも正しいか、誤りかは判らないと思うけど、
その辺りはどうなんでしょうね?
結論として、深いはムギワラ、浅いはオルトマンと覚えることにしてますが、
その定義では、ムギワラにはいまだ遭遇できてません(笑) ←当たり前か・・・。
ところで、オルトマンワラエビっていう、和洋折衷な名前もどうにかならないものでしょうかね。
オルトマン氏が研究したワラエビと言う意味だと思いますが、ちゃんとした和名ではないのかも・・・。
それからもう一つ。
エビって名前が付いてますが分類学的な見知においては、いわゆる「エビ類」ではありません。
異尾類です。
異尾類には他に、ヤドカリや、コシオリエビなどがいます。
以前、この「オルトマンワラエビ」が泳ぐシーンに遭遇したことがあります。
コシオリエビよろしく、前足2本を前にピンと延ばし、通常折りたたまれている尻尾をパクパクさせながら、後ろに進んでました。
(やっぱり君も、コシオリエビもお互い親戚同士なんやね~)
こんな感覚を覚えるダイバーは、あまりいませんよ(笑)
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「珊瑚虎鱚」
- 2003-08-17 (日)
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December/29/’02 後浜1号ブイ
平成14年12月29日です。
平成15年の幕開けをうらなう、最初のダイビングは、後浜1号ブイ。
定番どころをきっちり押さえてのいい滑り出しですね。
(なぜ、12月29日で最初かは、「ultrablue/感謝」を参照ください)
さてこの日は新調したおニューのスーツの初進水です。
スーツは、例年通り8mmの2ピーススキン(いわゆるカブリ)です。
出で立ちは、8mmのスーツの他に3mmのフード、
素足にロングのフルフットフィンです。
桟橋にトラックで到着すると、怪しくシルバーにペイントされて光り輝く
スチールタンクが並んでます。
何とも、いやらしいペイントですが、フリッパーズ黒黒軍団の背中には
違和感なく映えそうなところが怖い(笑)。
ウエイトは、当然10リッターのスチールタンクを選択しますので、
ベストに4kgとベルトに5kgで計9kgを準備します。
天候晴れ、強い波があり、北西風が吹き荒れる中、ボート上の気温は8度。
開始前タンク圧180barで、潜水開始時間はの10:19とあいなりました。
水中では、うねりもありますが、深度を落とすと気になりません。
まずは、-20mラインの砂地でコチ科のサカナを撮影します。
更に進度を下げて、最大深度-33.4mまで潜降しました。
最大深度時の水温17.8度です。透視度は20m程度はあったでしょうか。
何も目新しいものは発見できずに浮上を開始。
いつものコースで1輪車を右上方に確認しながら、徐々に深度を上げながら、東に進みます。
鉄枠の上方-10mのゴロタ辺りで幼い表情が可愛いサザナミフグの幼魚を発見。
しばらく様子を伺いながら2、3枚シャッターを押しました。
上の写真は、そのサザナミフグではなく(当たり前)、このコンテンツには2度目の登場の
サンゴトラギスです。
このトラギスはかなり珍しく、一生のうちに1度遭遇できればいいとされてるサカナです。
普通の図鑑には載ってなく、マニアのホームページ等でしか見ることはできません。
一度こんな事を書いてみたかったので思わず書いてしまいましたが、どこにでもいてるサカナです。
OWの講習ですら、名前を教えてもらえない普通種中の普通種です。
誰も気にかけてないので、名前を聞いてもあまり知ってる人はいません。
普通すぎて、特徴を説明するのも難しい。
ちなみに撮影データは、
レンズ ニコン マイクロニッコール105mm+ケンコー MC7(×2)
フィルム フジ ベルビア(+1増感)
ストロボ ニコン SB105(1/4発光)2灯
シャッタースピード 1/250
絞り F16
といった感じでしょうか。
最終的に、平均深度14.2度、表層付近の水温18.3度。
終了時タンク圧約50bar。
浮上終了時間11:14、総潜水時間55分。
爽快な真冬のダイビングでした
爽快?
そんな、やせ我慢してぇ!
ホントはイグジット後のボート上が寒くて辛かったくせに・・・
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「ひとりぽっちのイソギンチャクモエビ」
- 2003-07-11 (金)
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November/23/’02 後浜2号ブイ
あれ?
このの写真を見て、こう感じた方はこのエビの生態をよくご存じの方です。
この写真は、2倍のテレコンバータを装着した105mmのマクロレンズで、
最短の距離にて接写してます。
こうお伝えしてこのエビの大きさを想像できる方は、カメラの事をよくご存じの方です。
以前、このnavigateにて、 イソギンチャクモエビの写真をアップ しましたが、
それと比べてみれば、この2つの疑問を解決するヒントになるかもしれません。
あまり多くは語りませんが、
この写真はちょっと気に入ってるんです。
その名の通りイソギンチャクと離ればなれになってるんです。
写真のフレームからは外れてますが、ちょっと先にホストはいます。
なぜが、単独で、岩の上でお尻をフリフリしてました。
フィルム上では、1cmに写ってますので、実物は5mmということになります。
それにしても、ちっちゃかった~。
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存 在
- 2003-06-21 (土)
- Ultrablue

Jun 22 ’02 Issai
一切の展望所から望む夕景
さくらんぼ色はだんだん沈み
上天に
金隈取の
雲一点
存在を超えた無限なもの
存在に還へる無限なもの
「富士山」(『草野心平詩全景』1973年、筑摩書房)
作品第拾捌より抜粋
———————————————
平成15年6月9日18時10分 父が72歳の生涯に静かに幕を引きました
———————————————
初夏 竹田
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「貝に乗るウルトラマン」
- 2003-05-15 (木)
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November/23/’02 後浜2号ブイ
後浜2号ブイ、かつて「ピグミーシーホース」で沸いた、後浜を代表するポイントでした。
そう言う意味で、幾度となくエントリーしましたが、ピグミーがいなくなってからは、
潜る回数は激減しました。
そのせいかどうか、地形の様子や、両隣の1号・3号ブイとの位置関係が、
僕の記憶では、あやふやになってしまった場所です。
祇園鐘舎の鐘の音 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を表す
まさに、平家物語です(ちょっと意味が違うかも・・・)。
そんな、2号ブイですが、極稀にこのようなレアな光景に出くわしたりします。
写真は、「貝に乗るウルトラマン」です。
もう少し丁寧に言えば、「タカラガイと共生するウミウシカクレエビ」です。
かなり触覚(でいいのかな?)の長いタカラガイでした。
以前この光景を フリッパーズの真のガイドの矢野さん や、
久保師匠、moreDeep moreBlueの吉松氏の写真で見て、
僕も是非撮りたい、、、と、ボンヤリ思ってました。
こんなに早く実現できるとは思ってもいませんでした。
ただし、撮影は困難を極めました。
貝が落ち着きなく動くので、ピントが合いません。
それから、エビにばかり気を取られているので、貝の外套膜にあるトゲ(?)が
思いのほか長く、適切な露出が得られずに、ハレーションを起こしたりしてます。
いつになるか判りませんが、次の機会にはちゃんと撮りたいです被写体です。
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悲 劇
- 2003-04-30 (水)
- Ultrablue

September 21 ’02 Ushiro-hama
後浜に係留された、2杯のフリッパーズ号
この日はゲストが一杯でしたので、お店から陸撮です
仕事を終えて、帰路の途中、
路側帯に車を止めて自販機の缶コーヒーを買った時のことです。
ダイドーの販売機の前でしばし考え、デミタスコーヒーに決めました。
財布の中の硬貨は百円と十円玉1個ずつしかなかったので、千円札を投入しました。
でっ、お目当てのボタンを押し、当然のごとくに残額表示が880円となりました。
ただ、おつりの返却レバーを下げてからが変でした。
830、780、730・・・
と50円ずつ硬貨が戻ってきます。
(ん・・・?)
それから、530円までは五十円玉でに戻ってきてるようでした。
悲劇は、ここからはじまりました・・・
520、510、500、490、480・・・
(え゛~・・・?)
と、残り全てが十円玉で戻ってきてるのです。
おつりの返却口から、ガッチャン、ガッチャンと派手な音が永遠と続きました。
僕はただ立ちつくすのみで、その光景を見守ってました。
(もしラスベガスのスロットマシンで大当たりしたら
きっとこんな感じなんだろうなぁ・・・)
そんな、あり得ないことを考えながら、おつりが全て戻ってくるのを待ってました。
ようやくガッチャン音も静まり、辺りは国道を走る車の音が聞こえるのみです。
僕は返却口に指を近づけて、愕然となりました。
アクリルの蓋は、約60枚の硬貨がいっぱいで開きません。
(うそっ!)
少しの隙間から何とか一枚の十円玉を取り出しました。
また時間をかけて一枚、また一枚。
悪戦苦闘の末、何とかおつりは全て回収しましたが、自販機の釣り銭泥棒を
してるようで何とも嫌な気分になりました。
よく見ると、そのダイドーの自販機には「釣り銭なし100円」の表示が煌々と輝いてました。
おかげて僕の懐は、丸々と大きく、目方もずいぶん重くなりました。
陽春 竹田
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「コウライトラギス」
- 2003-04-29 (火)
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November/3/’02 一切小島(2)
この写真は前のカサゴ同様、師匠に連れられてネオンワームゴビーのコロニーを
訪れたときのものです。
彼らの素早い動きに追随できなくて、僕は仕方なくトラギスを撮りました。
カメラを向けると、興味深げにポートに近づいてきました。
どこにでもいてるコウライトラギスですが、こうも近寄られると、
何故か親近感がわいてきます。不思議ですね。
人の世も同じかなぁ。
こちらが何らかのアクションを起こすと、相手も反応を示してくれますものね。
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後 悔
- 2003-03-16 (日)
- Ultrablue

September 21 ’02 Kashiwa-jima
翌日に開業以来の最高来客数をひかえ、ひっそりとタンクチャージを待つ
周りはすっかり春めいてきました。
花こそ咲いていませんが、空気の匂いには春があふれてます。
この頃の季節は、気分が高揚する年と気が重く感じられる、二つの年があります。
今年は残念ながら後者です。
この地に降り立ってもう2年と半年が経とうとしています。
この間は相変わらず忙しい月日が流れました。
仕事の合間に柏島に通い、ダイビングに明け暮れる毎日でした。
何とか、日々の生活にも職場にも慣れて、さてこれからというときに、
転勤が決まり、引っ越しを余儀なくされた事は非常に残念です。
この事が、僕の気持ちを重くしてる原因の一つです。
住めば都、住んでみて始めてわかるその土地の良さがあります。
食べるものもその一つで、この街には「焼き豚玉子飯」という食べ物があります。
この地の郷土料理と呼ぶには少々乱暴ですが、この地独特の料理のようです。
熱々ご飯の上に焼き豚と目玉焼きがのっており、ちょっと甘めのタレがかかった丼の様なものです。
赴任当初、後輩に連れられて、とある中華料理店で夕食をしたときの話です。
始めて見た「焼き豚玉子飯」は、その強烈な見た目に閉口してしまいました。
今思うとそれを食べる後輩の様子がいけなかったのかもしれません。
後輩は、よほどお腹がすいていたのか、永谷園のお茶漬けのTVCMよろしく、
ガツガツと一気にたいらげてしまいましたから、なんと品のない丼だろうと、
純粋に感じました。
それ以来「焼き豚玉子飯」は僕にとって、封印された食べ物になっていたのです。
引っ越しが決まりこの地を去ることを意識し始めると、今まで見えなかったものが、
目に飛び込んでくるようになります。
なんでもない路地から新しい抜け道を発見したり、気軽に入れるクリーニング店を見つけたり、
封印されていた「焼き豚玉子飯」もその一つでした。
先日、件の中華料理店で、別の後輩達と食事をする機会がありました。
(焼き豚玉子飯、ここに住んでて、一回も食べたことがないのも淋しいな)
(この地で暮らした証に、ひとつたのんでみるか・・・)
こんな、何気ない気持ちで、その丼(?)を注文しました。
半熟の目玉焼き部分を箸でわり、トロトロの黄身が焼き豚の上にとろけ出てきます。
タレのかかったご飯と、黄身がとろけた焼き豚を一気に口に運びました。
柔らかな焼き豚の歯触りと、得もいえぬほのかな甘さと、ご飯の旨さが織りなす妙は、
(・・・うまいっ!!!)
の一言でした。
決してお上品な食べ物ではありませんが、単純明快な旨さがあります。
僕は、更に餃子も頼んでましたが、絶妙なバランスでした。
2年と半年、この旨さを知らずに過ごしたことを思うと、何とももったいない事をしたと
今更ながら、思います。
単なる食わず嫌いだったわけで、後悔先に立たずとはよく言ったものです。
昨年の春、花の写真を取り損ねた際に、来年撮ればいいと思ってましたが、
今年が、最後のチャンスになりそうです。
今春こそは、糸山公園から、しまなみ海道「来島海峡大橋」につづく遊歩道に寄りかかる、
桜のひと枝を、写真に収めなくてはと思っています。
ここは造船とタオルの街、愛媛県今治市です。
浅春 竹田
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「カサゴ」
- 2003-03-12 (水)
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November/3/’02 一切小島
一切の深場から、浅場に戻る途中の岩陰にたたずんでいた写真のカサゴ。
僕が接近しても、特に動揺する様子もなく、更に堂々とたたずんでいる。
普段なら、この手のサカナは写真に撮ったりしないが、色合いが綺麗だったことと、
あまりに落ち着き払ってたので、何も迷うことなくいきなり最短でカメラを構えた。
一瞬たじろいだ表情を見せるが、それは、ホントに一瞬。
すぐに、落ち着きを取り戻し、眼前のカメラのポートも、別に気にとめるでなく、
堂々としている。
寒くなったので、逃げようにも逃げられなかったのか・・・。
それまでとは、一転して、冬まっしぐらの柏島です。
因みにこの日、水温は19.8度ですが、気温は13度でした。
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「アカハチハゼ」
- 2003-02-19 (水)
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October/13/’02 後浜2号ブイ
インディアンの子供達が、楽しそうに遊んでるみたいでしょ?
正面から見ると、インディアンみたいに見えませんか?
オトメハゼも、クロイトハゼも、このアカハチハゼも、”Valenciennea”なハゼ達は、
みんな、いつも口から砂をボロボロさせていて、だらしがない。
前2種は、顔とかあまりかわいくなくて、不細工やけど、
このアカハチハゼは、顔や、仕草がかわいいから、許してあげてます。
僕と遭遇して、まず「しまった」って表情を見せます。
それから、岩陰とかに隠れてじ~っとしてるんですが、僕がそっと回り込んで見ると、
鬼ごっこの鬼に見つかったかのように、そろそろと珊瑚の下に隠れます。
少し待ってると、すぐに様子を伺いに出てきて、僕を発見してと、また困った表情で、
別の珊瑚に隠れます。
この3カ所くらいの範囲で、隠れたり出てきたりしてくれるので、見てて微笑ましいハゼです。
ちっちゃな子供が、知らない親戚のおじさんと会って、どうしていいのかわからずに、
母親の陰に隠れたり、出てきたりしてる様子にそっくりだと思いました。
Valencienneaなハゼ達 = クロイトハゼ属の事です

上の写真も、下の写真もデジタルデータへの変換が非常によろしくないようです。
画像が荒れてます。
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