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Ultrablue Archive
12月26日
- 2011-12-26 (月)
- Ultrablue
今日、最高気温は6度。
どんよりと曇った、寒々とした一日だった。
柏島も、矢野さんの今日の日記から、厳しい一日だった様子が伺える。
写真は、米原ビーチ付近の米子焼工房の巨大シーサー。
2004年4月の石垣島での一コマ。
米原ビーチは、星加が学生時代を過ごした場所だ。
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今年の12月26日
- 2010-12-26 (日)
- Ultrablue
今年は、2004年と同じ日曜日でした。
慌ただしい年末です。
今日のこの地は、猛烈な寒波の影響もあり荒れました。
柏島はどうだったのだろう。
後浜の様子はどうでしたか。
穏やかでしたか?
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心の石-12月26日
- 2009-12-26 (土)
- Ultrablue
早いもので今年も12月26日となった。
平成16年、西暦では2004年の今日。
やはり年末であわただしい5年前の事。
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12月26日
- 2008-12-26 (金)
- Ultrablue
“じゃあ、また”
彼との最後の会話。
とにかく楽しかった、マリンクラブフリッパーズ。
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星 加
- 2006-12-26 (火)
- Ultrablue
September 19 ’04 後浜にて撮影
12月26日は、
いまだに、それから、これからも決して忘れえぬ日
ちょうど2年前の今日、彼が他界した日
高知県大月町柏島、
後浜1号ブイの沖、
水深30mに近い、
一面が砂地の海底
その時、何を感じたか?
苦しかったか?
冷たかったか?
恐かったか?
お陽さま見えてても、暗かったやろう
辛かったか、楽になれたか?
俺らは、皆、、、寂しいんぞ。
ほんま、おまえの笑顔が好きやった
今でも、
「いいっすよ」
って星加の声が聞こえてる
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親 指
- 2006-02-24 (金)
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January 3 ’06 撮影
今日、2月24日は、僕の誕生日です。
僕が生まれた昭和43年の今日は、
親父曰く
「小雪の舞散る寒い一日だった」
らしいです。
このことを教えてくれた親父はもういませんが、
僕の誕生日が近づくと、いつも懐かしそうにこう語り聞かしてくれた親父の横顔を思い出します。
当時は毎年同じ話ばかりで、「つまらん」って思ってましたが、
思い出となった今では、一番懐かしく思い出せるエピソードです。
今となっては、自分の生まれた時の状況などもっと詳しく
聞いておけばよかったと悔やまれるばかりです。
あと一つ、いつも言ってたことに、生まれたばかりの僕の足の裏と、
親父の手の親指が同じ大きさだったらしいこと。
今日、自分の手の親指を見ながら、こんなに小さな足だったのかと、
38年の歳月を振り返りました。
平成18年2月 38回目の誕生日 竹田
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月 光
- 2005-11-15 (火)
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August 22 ’05 撮影
職場からの帰り道、
11月も半ばとなると18:30といえば辺りは真っ暗です。
しかし、今週はなぜか薄明るいんですね。
ショルダー鞄が左肩に重くのしかかるのですが、こうも明るいと
仕事でぐったり疲れているはずの気持ちまで軽やかになるから不思議です。
そう、頭上には丸く大きな明るい月が、浮かんでました。
改めて辺りを見回すと、その明かりが青白く山々を、田畑を、屋根を照らしてます。
今日は特別に空気も澄んでるみたいで、その光が真っ直ぐにここまで届いてます。
ちょっと手を伸ばせば手に取る事ができるかのように美しく輝いています。
そのすぐ横には、火星が赤く、真っ赤な光を放っています。
雲がまばらにあるのもまた、透き通ったそれを引き立てることに一役かっているようです。
ふと、こんな澄んだ晩秋の空を写真に収められないかと考えてみました。
この住宅街の隙間に見える山影を、その光をバックに白川義員氏の画のような
壮大なアングルと、奥行きと、情熱をもって切り取ることができないか・・・、
レンズとか、フィルムとか、三脚とか、カメラとか、そんな下世話な議論じゃなくて、
僕のこのイメージを具現化できないか・・・と。
そんな雑念を振り払うように、僕の頭の中には、鬼気迫る迫力で3枚のイメージが
収められたような気がします。
皆様にご覧頂けないのが残念でなりません。
いつか、このイメージを発表できる日が来る事を祈りながら歩きました。
普段なら、ガックリと肩が落ちている帰路なのですが、今日は僅かですが、
胸をはることができたような気がします。
青く、深く、柔らかな月の光に包まれながら静かに家路を歩いている時の話しです。
平成17年11月 澄みわたる月夜 竹田
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未曾有
- 2005-07-12 (火)
- Ultrablue
今年の梅雨は良く雨が降り、梅雨らしい天気が続いてます。
この調子だと、心配されてた四国の水不足は全く問題なさそうです。
さて、先日妻と車に乗ってたときの話しです。
オートキャンプ場が併設されたアウトドア系の公園で休憩を入れました。
休憩は僕が、いわゆるビッグビジネスを成立させることが目的です。
個室のドアを施錠して視線を足元やると、大きなヤブ蚊が横たわってました。
僕以前の、個室のユーザが退治してくれてたようで、前ユーザに感謝をしつつ落ち着いてました。
しばらくすると、同じように大きなヤブ蚊が4匹ほど次々と眼前に出現しました。
ブ~ンと、くるぶしやお尻の近くを飛んだり、留まろうとしたりしてましたが、
牛がしっぽでハエを追い払うが如く、手で必死にヤブ蚊と攻防していました。
いわゆるビッグビジネスはまとまりつつあり、後は調印という段階で、
僕は、あってはならない光景を目の当たりにするのです。
ヤブ蚊が留まっているのです。
けっして女性には存在しない「それ」の左側面、付け根から先端のちょうど中間付近です。
「あり得ない、こんなことはある筈がない」
その様に心に繰り返しても、やはり現実にそのヤブ蚊は留まって足を上下に揺すっているのです。
場所が場所だけに、たたきのめすことができず、牛のしっぽ作戦で追い払いましたが、
ヤブ蚊達の怒濤の攻撃は止まるところを知りません。
「それ」に留まってる奴に気をとられていると、右大腿部に留まろうとしてる奴がいるし、
そいつを追っ払ってると、また右くるぶし付近を飛行してるし、
ビッグビジネスの契約成立どころではありませんでした。
ビジネスパートナーは、更に詳しい契約内容の説明を行おうとしましたが、
これ以上この場にいる事に危険を感じ、何より
「それ」をヤブ蚊に咬まれたという事がショックでなりませんでした。
調印後の作業もそこそこに、個室を後にしました。
車に戻って、ナビシートに座る妻に言いました。
「大変な事になった」
「どうしたの?」
妻は、心配そうに返してきました。
「蚊に喰い殺されるところやった」
「・・・また、大袈裟なことを、何があったのか心配したわ」
「いやいや・・・」と、事の顛末を伝えたら、半笑いで気遣ってくれました。
未曾有の珍事のため、妻のホームページのネタにしても良い事を申し出ましたが、
「そんなこと絶対書けない」と、あっけなく却下。
どうしても心に残る珍事やったので、敢えて発表することとしました。
その部分は、時間が経つごとに、むず痒くなってくるし、
掻けば大変なことになりそうやし、車を運転しながら凄く困ることになるのでした。
梅雨空 竹田
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創 造
- 2005-02-21 (月)
- Ultrablue
February 21 ’05
オーブンまで、あと少々
今夜キッチンで、妻が楽しそうにパン生地をこねていた。
いつもと違うようなので、何をしているのかと聞いてみると、
「ひまわりパン」を作っているという。
ずいぶん前になるが、パン屋さん併設のレストランで妻と昼食をとったときの事だ。
メインの魚にフォークを入れたところで、ウエイトレスがテーブルまでやって来た。
「新しいパンが焼き上がりました、いかがですか?」
「何があるの?」
「今回はガーリックパン、イカスミパン、クルミパン、ゴマパン、チーズパン、クロワッサンです」
と、大きなカゴを携えた彼女は次々をパンを指さしながら教えてくれた。
僕は、ガーリックパンと、ゴマパンを皿に乗せてもらった。
一つ一つは小さいので、色んなパンが頂けるのはいい感じだ。
イロモノっぽいところが否めない感も少々あるがそれはご愛敬。
さすがにパン屋併設だけあって、常に焼きたてのホクホクなパンが
「もう結構です」と言うまで次々と運んでこられる。
妻も、色々食べられて楽しいね~とご満悦の様子であった。
更に「今度うちでも、あのパン焼いてみよ~」と、
かなりお気に入りだったのが「ヒマワリパン」であった。
ヒマワリパンと言っても、形が向日葵の様に賑やかになってるわけではなく、
向日葵の種が入っていて、歯触りが何とも心地よいパンであった。
そんな事があったのを、しばらくのうちに、忘れていた。
僕はどんなになるのか興味津々で眺めていると、向日葵の種らしきものが出てきた。
幼い頃の記憶では、向日葵の種は白黒のストライプだった様に記憶していたが、
妻が手にしているものは、緑色一色であった。
食用か、はたまた外国産なのか、なんか違うように思ったが特に気にはしなかった。
っで、オーブンのおぼん(?)に配置して焼く準備が整ってたみたいなのが上の写真です。
(お餅のように見えますが、まだ焼く前の生地の状態です)
(しかし、あのお店で食べた「ヒマワリパン」はこんな感じじゃなかったが・・・)
「タコノマクラ」みたいやねって思わず言ってしまった。
妻は、苦笑いをしている。
僕は、ヒマワリの種が入っていた袋に、「かぼちゃの種」と書いているのを見てしまった。
どうやら妻は、ひまわりの種と、かぼちゃの種を取り違えたみたいだ。
そこで「ヒマワリパン」ではなく「タコノマクラパン」にしたようだ。
平成17年 余寒 竹田
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愁 雲
- 2004-12-30 (木)
- Ultrablue
October 03 ’04
叶崎、太平洋を望む
平成16年12月26日、24歳の若さで、彼は、
僕たちが話しかけることすらできない世界にいってしまった。
こんな事、誰が予想できただろう・・・。
全く信じられない。
平成13年、柏島での初めての大晦日。
「こんな楽しい事好きっす!!」上機嫌の彼。
泡盛をたっぷり楽しんだ彼は、トイレへの途中、下の道路に落下。
全身泥まみれになって、2階に運ばれ、眠りについた。
その後、閉じてるまぶたに瞳のペイントで、寝てるにもかかわらずバカボンパパの笑顔。
こんなハチャメチャな大晦日であったが、
翌H14年元旦は何もなかったように、いつもの笑顔で、仕事をこなした。
「使わないんだったらビアンキ、貸して下さい」って僕に言うから、
「柏島にようこそ」ってプレゼント。ボクがいるときは必ず使ってくれてた。
新しいポイント”別荘下”は「いつも濁ってて、まともにボートまで帰れん」って言えば、
ボクのログブックにマップを書いてくれた。
オークションで大量に落札してしまい、不要になった電池と、ダイレクトベースを交換してくれた。
スーツの肩が破れれば、即座に修理してくれた。
ボートに上がるとき、水中のボクからカメラを受け取って、
竹田さんのカメラ、今、フリッパーズのお客さんの中で一番重いっす・・・。
やはり笑顔で受け取ってくれた。
彼との想い出は、書ききれない
お別れの際、震えながらのお父様の声、
・・・息子が過ごしてきた様子を、昨晩、友人の皆様から聞かせて頂きました。
同年代の頃の私より、はるかに素晴らしい人生を歩んでいたようでした・・・
・・・海の中で発見されたにも関わらず、あんなに安らかな顔をしています・・・
・・・息子の顔は、まるで寝ているようだ、皆さん早く起こしてやってください・・・
・・・それから、皆さんの心の中で、いつまでも成長させてやってください・・・
やはり実感のない、やりきれない声であった。
最後に彼と会ったのは平成16年12月19日夜、
美味しそうに万長ラーメンを食べながら、笑っていた。
「じゃっ、またぁっ」
帰り際に交わした、これが最後の言葉だった。
次にフリッパーズに行ったとき、
「ああぁっ、お久しぶりっすっ」
って、笑顔で迎えてくれる彼がいるような気がする。
今でも、ニコニコしながらの、
「いいっすよ~」
の声が、聞こえる
12月30日 竹田
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泪
- 2004-07-14 (水)
- Ultrablue
February 27 ’04
山里に咲く初春の菜の花達
忘れてしまいたいことや
どうしようもない寂しさに
包まれたときに男は
酒を飲むのでしょう
飲んで飲んで 飲まれて飲んで
飲んで飲みつぶれて 眠るまで飲んで
やがて男は静かに 眠るのでしょう
忘れてしまいたいことや
どうしようもない悲しさに
包まれたときに女は
泪みせるのでしょう
泣いて泣いて ひとり泣いて
泣いて泣きつかれて 眠るまで泣いて
やがて女は静かに 眠るのでしょう
またひとつ女の方が 偉く思えてきた
またひとつ男のずるさが 見えてきた
俺は男 泣きとおすなんて出来ないよ
今夜も酒をあおって 眠ってしまうのさ
俺は男 泪はみせられないもの
飲んで飲んで 飲まれて飲んで
飲んで飲みつぶれて 眠るまで飲んで
やがて男は静かに 眠るのでしょう
酒と泪と男と女 (1976) 作詞、作曲/河島英五
———————————————
平成16年7月6日 彼は遠いところにいきました
———————————————
蝉声 竹田
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雪明り
- 2004-01-23 (金)
- Ultrablue
January 22 ’04
自宅付近に降り続く雪たち
雪が降りました。
平成16年1月22日18時頃の自宅付近の様子です。
道路には、車の跡と僕の歩いた跡がありますが、この後雪は更に降り続け、
この轍と足跡は見る見る埋まってしまいました。
小学校の時は雪が降ると楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。
雪と言っても、数年に1度、パラパラと空を舞う程度の降雪しかなく、
こんなに積もったことはありませんでした。
中学以降は、何度か写真のような感じで積もりましたが、
通勤やら、通学がうっとうしいのと、何より寒いのが嫌でした。
雪が降って、こんなに嬉しく感じたのは実に小学校の時以来です。
現在は通勤が徒歩になっており、雨が降るとさすがに嫌ですが、
雪は大いに歓迎です。一面真っ白な景色を眺めながら歩くのはいいものです。
(靴が濡れてうっとうしかったり、寒いのは以前と変わりませんが・・・)
天気予報によると今夜は気温が0度まで下がり、明日の日中もあまり上がらないそうです。
一面の雪景色は明日の朝も楽しめそうです。
まだ誰も踏み入れてない道に、私の足跡が続く・・・。
明朝が楽しみです。
大寒の翌日 竹田
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存 在
- 2003-06-21 (土)
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Jun 22 ’02 Issai
一切の展望所から望む夕景
さくらんぼ色はだんだん沈み
上天に
金隈取の
雲一点
存在を超えた無限なもの
存在に還へる無限なもの
「富士山」(『草野心平詩全景』1973年、筑摩書房)
作品第拾捌より抜粋
———————————————
平成15年6月9日18時10分 父が72歳の生涯に静かに幕を引きました
———————————————
初夏 竹田
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悲 劇
- 2003-04-30 (水)
- Ultrablue
September 21 ’02 Ushiro-hama
後浜に係留された、2杯のフリッパーズ号
この日はゲストが一杯でしたので、お店から陸撮です
仕事を終えて、帰路の途中、
路側帯に車を止めて自販機の缶コーヒーを買った時のことです。
ダイドーの販売機の前でしばし考え、デミタスコーヒーに決めました。
財布の中の硬貨は百円と十円玉1個ずつしかなかったので、千円札を投入しました。
でっ、お目当てのボタンを押し、当然のごとくに残額表示が880円となりました。
ただ、おつりの返却レバーを下げてからが変でした。
830、780、730・・・
と50円ずつ硬貨が戻ってきます。
(ん・・・?)
それから、530円までは五十円玉でに戻ってきてるようでした。
悲劇は、ここからはじまりました・・・
520、510、500、490、480・・・
(え゛~・・・?)
と、残り全てが十円玉で戻ってきてるのです。
おつりの返却口から、ガッチャン、ガッチャンと派手な音が永遠と続きました。
僕はただ立ちつくすのみで、その光景を見守ってました。
(もしラスベガスのスロットマシンで大当たりしたら
きっとこんな感じなんだろうなぁ・・・)
そんな、あり得ないことを考えながら、おつりが全て戻ってくるのを待ってました。
ようやくガッチャン音も静まり、辺りは国道を走る車の音が聞こえるのみです。
僕は返却口に指を近づけて、愕然となりました。
アクリルの蓋は、約60枚の硬貨がいっぱいで開きません。
(うそっ!)
少しの隙間から何とか一枚の十円玉を取り出しました。
また時間をかけて一枚、また一枚。
悪戦苦闘の末、何とかおつりは全て回収しましたが、自販機の釣り銭泥棒を
してるようで何とも嫌な気分になりました。
よく見ると、そのダイドーの自販機には「釣り銭なし100円」の表示が煌々と輝いてました。
おかげて僕の懐は、丸々と大きく、目方もずいぶん重くなりました。
陽春 竹田
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後 悔
- 2003-03-16 (日)
- Ultrablue
September 21 ’02 Kashiwa-jima
翌日に開業以来の最高来客数をひかえ、ひっそりとタンクチャージを待つ
周りはすっかり春めいてきました。
花こそ咲いていませんが、空気の匂いには春があふれてます。
この頃の季節は、気分が高揚する年と気が重く感じられる、二つの年があります。
今年は残念ながら後者です。
この地に降り立ってもう2年と半年が経とうとしています。
この間は相変わらず忙しい月日が流れました。
仕事の合間に柏島に通い、ダイビングに明け暮れる毎日でした。
何とか、日々の生活にも職場にも慣れて、さてこれからというときに、
転勤が決まり、引っ越しを余儀なくされた事は非常に残念です。
この事が、僕の気持ちを重くしてる原因の一つです。
住めば都、住んでみて始めてわかるその土地の良さがあります。
食べるものもその一つで、この街には「焼き豚玉子飯」という食べ物があります。
この地の郷土料理と呼ぶには少々乱暴ですが、この地独特の料理のようです。
熱々ご飯の上に焼き豚と目玉焼きがのっており、ちょっと甘めのタレがかかった丼の様なものです。
赴任当初、後輩に連れられて、とある中華料理店で夕食をしたときの話です。
始めて見た「焼き豚玉子飯」は、その強烈な見た目に閉口してしまいました。
今思うとそれを食べる後輩の様子がいけなかったのかもしれません。
後輩は、よほどお腹がすいていたのか、永谷園のお茶漬けのTVCMよろしく、
ガツガツと一気にたいらげてしまいましたから、なんと品のない丼だろうと、
純粋に感じました。
それ以来「焼き豚玉子飯」は僕にとって、封印された食べ物になっていたのです。
引っ越しが決まりこの地を去ることを意識し始めると、今まで見えなかったものが、
目に飛び込んでくるようになります。
なんでもない路地から新しい抜け道を発見したり、気軽に入れるクリーニング店を見つけたり、
封印されていた「焼き豚玉子飯」もその一つでした。
先日、件の中華料理店で、別の後輩達と食事をする機会がありました。
(焼き豚玉子飯、ここに住んでて、一回も食べたことがないのも淋しいな)
(この地で暮らした証に、ひとつたのんでみるか・・・)
こんな、何気ない気持ちで、その丼(?)を注文しました。
半熟の目玉焼き部分を箸でわり、トロトロの黄身が焼き豚の上にとろけ出てきます。
タレのかかったご飯と、黄身がとろけた焼き豚を一気に口に運びました。
柔らかな焼き豚の歯触りと、得もいえぬほのかな甘さと、ご飯の旨さが織りなす妙は、
(・・・うまいっ!!!)
の一言でした。
決してお上品な食べ物ではありませんが、単純明快な旨さがあります。
僕は、更に餃子も頼んでましたが、絶妙なバランスでした。
2年と半年、この旨さを知らずに過ごしたことを思うと、何とももったいない事をしたと
今更ながら、思います。
単なる食わず嫌いだったわけで、後悔先に立たずとはよく言ったものです。
昨年の春、花の写真を取り損ねた際に、来年撮ればいいと思ってましたが、
今年が、最後のチャンスになりそうです。
今春こそは、糸山公園から、しまなみ海道「来島海峡大橋」につづく遊歩道に寄りかかる、
桜のひと枝を、写真に収めなくてはと思っています。
ここは造船とタオルの街、愛媛県今治市です。
浅春 竹田
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蒼 茫
- 2002-11-11 (月)
- Ultrablue
August 6 ’02 Odagahama
どこまでも青くぬける、織田ケ浜の夕景
時計を忘れて出勤してしまいました。
そんな日は不安で不安で堪りません。
日付も時刻も全く分からず、なにも頭にも入りません。
いつも左手にはまってるその鉄のかたまりは、
時刻、日付、曜日を確実に僕に伝えてくれます。
なんとも頼りがいのある機械です。
デスクのコンピュータにも、携帯電話にも、会議室の壁にも、JRの駅にも、どこにでも時計はあります。
通常国内において、時刻が分からなくて困ることはまずありません。
しかし、ここ一番では、自分の腕にはめている時計でないとだめなのです。
毎日の生活に欠かすことの出来ない、大切なものです。
皆様にとって、大切なものは何でしょう?
例えば、僕の場合、
ダイビング
桟橋
クロテンのカード
缶コーヒー
展望所
19-35mm広角ズーム
ピーカップ
青空
鉄橋
エメラルドグリーン
落ち葉
のら猫
ミックスアイス
月
小さな観覧車
車窓
カフェ
薔薇
ヘリポート
青い光
ガーリックチップ
ロードマップ
手袋
後浜
フリッパーズ
そして、
出会い
それから、
左手の、その柔らかい温もりを、いつまでも忘れることのないように・・・。
それぞれが大切な、このうえなく大切なものです。
向寒 竹田
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向 日 葵
- 2002-09-29 (日)
- Ultrablue
July 28 ’02 Kashiwajima
今は、もう秋・・・、ですが、-4?mに咲く妖艶なヒマワリ
ここに、小さなピンク色した袋(110X80mm)があります。
「薬用入浴剤ストロベリーバス」
と書いてあります。
「ストロベリーの香りがベースのフルーティーな香りの入浴剤」なんだそうです。
少し前から我が家にあり、気になっていたのですが、
“ストロベリー”が少々恐ろしくて使うのをためらってました。
効能が、「肩のこり、冷え症、疲労回復」とあったので疲労回復の目的で、
本日、意を決して使ってみました。
軽快なメロディーにのって「~~オフロガ ワキマシタ~~」
と湯沸かし器が風呂の準備ができたことを伝えます。
僕は、すっぽんぽんになってお浴室に向かいました。
さて、「ストロベリーバス」です。
まず「開け口」の切り込みに沿って封を切ります。
細粒の入浴剤をサッサッサッと入れてみます。
緊張の瞬間です。
すると、一帯に苺のような香りが広がります。
「ん・・・?」
「?・?・?」
「イチゴ?」
「これは、イチゴのニオイと違う?」
「何のニオイ?」
「・・・」
「・・・かき氷」
そう、それは、かき氷のイチゴシロップの香りでした。
バスタブは、ピンク色に染まり、
夏のお祭りでは欠かせない、イチゴ味のかき氷シロップを
ぶちまけたような、そんな世界が僕のお風呂に拡がってしまいました。
「・・・;」
でも、何故だかいつもよりゆっくりと、バスタブにつかることができました。
「よう判らんけど、癒されてる?」
「イチゴも、・・・悪くないかな?」
こんな事を自問自答しながら、石けんのポンプを押してしまった僕はその過ちに、 後悔するのでした。
マイルドフローラルの香りが一面に拡がり、イチゴシロップのニオイと
混ざってしまったから、さあ大変!!
異様なニオイが一面に漂い、むせ返ってしまいました。
その後、シャンプーのエレガントで洗練されたグリーンフローラルの香り(シルクプロテイン配合)
のポンプを押す頃は、
鼻も慣れて、別に何も感じなくなっていたので、ゆっくりシャーワーで流して、
元のイチゴシロップのニオイを堪能しました。
イチゴの香りがこれほどヒトを癒すものかと大発見でした。
癒すと言えば、写真のイソギンチャク。
某ポイントに存在するのですが、皆様はあまり行かない場所です。
僕たちは「ヒマワリ」と呼ぶこの生き物が醸しだすその、
鮮やかさ、
妖艶さ、
孤独感、
が、大好きです。
見ての通りのイソギンチャクですが、いてる場所と触手の色、存在感が特別ですから
僕を癒してくれるのでしょうか・・・。
少々強引でした(笑)。
秋冷 竹田
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秋 意
- 2002-09-08 (日)
- Ultrablue
May 26 ’02 Flippers
300本記念に際し、撮影したフリッパーズの新しいトラック
21:30、職場の同僚から僕のケータイにメールが入ってきました。
「ローソンの横に行かん?」
というものでした。
近くの屋台なのですが、コンビニの横にあるので僕たちはこう呼んでます。
その屋台は車通りも多い旧国道のすぐそばの広場にあり、
長さ15mの蒲鉾型のテントも設営され、テントには4人掛けのテーブルが4つあります。
外にもテーブルが1つあります。
屋外でも少しだけ、しのぎやすくなったこの時期は、手軽さと喧騒感が結構いい感じです。
(真夏はちょっと暑い、真冬はちょっと寒い)
22時過ぎから24時まで、久しぶりにおでんと瓶ビールで差しつ差されつなひとときを過ごしました。
ひとしきり話して呑んで、、、歩いて家に帰って、、、ふと気がつきました。
僕のポロシャツとジーンズからは蚊取り線香のニオイがするんです。
(そういえば屋台のテーブルの下には、それぞれに渦巻きがあったなあ)
僕にとってこのニオイは、夏場のフリッパーズのニオイなんですね。
(夏場のフリッパーズのテーブルの下にも、渦巻きがこの心地よい臭いの煙をゆらゆらとさせてます)
忙しい現実の合間、車の往来の音の間隙に、
コオロギやスズムシやクツワムシの鳴き声を聞きながら、
少々ぬるんだグラスのビールを飲み干した時に、
まだ蒸し暑い秋を感じながら、
楽しかった夏の柏島の思い出がよみがえりました。
夏の間は、蚊取り線香の香りは別になんとも思いませんが、
初秋の今、この香りは、もの悲しいものです。
せっかく買ったけど、この夏は結局着ることのなかったTシャツの様に、
季節に取り残された寂しさがあります。
もう9月なんですね。
生活に追われながら、慌ただしく過ぎた夏はもう昔、新たな季節の始まり、秋の柏島が呼んでます。
秋意 竹田
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迷走
- 2002-08-20 (火)
- Ultrablue
Mayr 25 ’02 Minkashita
浮上直前の表層に漂うミズクラゲ
去る8月17日の2.5号ブイ、久しぶりに水中で迷いました。
初めて皆様とはぐれて、水中で迷ったのは平成12年7月9日後浜4.5号ブイでのこと。
潜水経験67回目の時で、今から2年ほど前の事です。
かなり焦りました。パニックにこそなりませんでしたが、正直もうダメだとも思いました。
後で冷静に考えれば、何がダメなのかよく分かりません(笑)
周りは背の高いガイジンさん達であふれてます。
通りの向こうにある劇場に沢山貼られたミュージカルのポスターをボンヤリ眺めながら、
人生の中で最も情けない表情をした顔の僕が呆然としています。
学生時代の締めくくりに、友人(男性)とロンドンに気ままな二人旅に出ました。
3日目の夜、某所ではじけた帰りのこと、あまりの混雑のために、友人とはぐれてしまい
そのお店の外に出たものの、友人の姿はなく、まさに路頭に迷ってた時のことです。
その繁華街は、僕たち日本人の事など気にとめる奴なといるわけもなく、僕はホントに困ってました。
(ここはどこ?)
(私は誰?)
そんなことを考えながら、通りをポツポツと数ブロック進んだところで、
何かに呼び寄せられるように、無意識に角を左に曲がりました。
更に左に曲がったところで、おそらく彼の人生の中で最も情けない表情を浮かべた友人を発見しました。
すぐに彼も僕に気付き、僕たちは安堵の表情に変わりました。
今までの人生の中で、最も不安になった事件が、このロンドンでの出来事なのですが、
冒頭でのはぐれた際に、このロンドンの出来事が突然頭をよぎりました。
いつもは遠巻きに僕たちを見てるサカナ達が、あのソーホーのガイジンさん達のように見えました。
極東のアジア人には全く目もくれない彼らのように、水中では何もできない木偶の坊を見るような一瞥をくれて、僕のすぐ横を通り過ぎるサカナ達。
この上ない疎外感を感じました。
ただ、
(浮上すればすべての不安は解決する)
この結論に達するまでは、それほど時間はかかりませんでしたが・・・。
後浜は、ある程度理解してるつもりでしたが、久しぶりに迷ってしまいました。
この時は、焦りなどは全くなく、この上なく冷静でした。
今後も、どちらにするか選択に迷ったとき、どこに進むべきか道に迷ったとき、はたまた人生そのものに迷ったとき、とにかく浮上すれば、迷いは解決するんだって、余裕の笑みで対処したいですね。
残暑 竹田
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ひととき
- 2002-05-13 (月)
- Ultrablue
September 8 ’01 サルガウドウにて
いよいよ2002シーズンの始まりです
僕の職場の近くを川が流れてます。
その河川敷には数百メートルにわたってソメイヨシノが植樹されており、桜の季節には花見を楽しむ人で、ごった返します。
さらにその土手には僕の通勤経路となっている広域農道があるのですが、
お花見客が、路肩に車を止めるので、上り車線が占有され、季節限定の大渋滞が発生します。
(この間はなぜか、駐車違反の取り締まりや飲酒検問はしないんですよね)
でも、まだ気温も肌寒く、ぼんぼりの灯火も常識的な時間に消灯となるため、
夜中まで混み合うことはありません(当たり前か・・・)。
今年は、幸か不幸か、その渋滞に遭うことはありませんでした。
花見客が、家路についたしばらく後に、僕の退勤する日々が続いたためです。
3月後半から4月前半は毎日、そんな日々の繰り返しだったために、
世間はいつの間にか初夏を迎えていることすら気がつきませんでした。
っで、すんごく久しぶりに、柏島に向かう道中、車のウインドウを越えて視界に入ってくる山々は、
痛いくらいに眩しく、瑞々しい新緑色に変身してました。
さらに、桜に代わって栗の花々が咲き乱れています。
その香りたるや、まるで・・・。
まるで・・・、ニキビ面の男子中学生100人が、一斉に大写生大会のピークを迎えたような、そんな香りに満ちあふれています。
やめておきましょう。
この手の話題は、愛知の●石さんと直接、声をひそめてお話ください。
きっと盛り上がるはずです。
栗で思い出しました。
柏島のある高知県大月町の地焼酎(?)で、
「ダバダ火振り」
という、栗焼酎があります。
口に含むと、まず、微かに栗の風味がひろがります。
その後、華やかで鋭角な香りが鼻腔を貫き、そしてスッと喉を通っていきます。
その名のごとくに、男性的で、ワイルドな味わいです。
島内のお酒屋さんでも、入手可能です。
是非一度、お試しあれ。
さて、
ダイビングを無事に終えて、
どのブイにも一切係留ののない後浜を眼下に見下ろすフリッパーズのデッキにて、
初夏、
新緑の季節、
立●さんと栗の酒談義を交わすのもまた、
至高のひととき(?)・・・です。
’02 シーズンの始まり 竹田
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嗜 好
- 2002-03-12 (火)
- Ultrablue
November 23 ’01 Ushirohama No1.5
綺麗なイソギンチャクの仲間、満開です!
無性にチーズが食べたくなり、コンビニで「切れてるカマンベール」というチーズを手にとりました。
(まてよ、チーズにビールは合わんなあ)
ってことで、赤ワインも買いました。
家に帰って見た件のボトルには、
「通常ワインの倍のポリフェノールを含有している(当社比)健やかワイン」
とあります。
なんでも、欧米人の心臓病死亡率が低いことに関係している等、
このポリフェノールが多く含まれる赤ワインが健康に良いということで、
マスコミメディアが、かなり騒ぎ立てたことも記憶に新しいですね。
(そんなに体にいいからって、沢山飲んでも大丈夫?)
(飲み過ぎて、肝臓やったり、アル中にはならんの?)
(ポリフェノールが倍!ってことは、普通のワインにその物質を混ぜてるんじゃなかろか?)
(そんなこと出来るんなら、その物質だけを錠剤の様なカタチで摂ればどう?)
(この、「倍」含まれてるってのが胡散臭いなぁ)
(ポリフェノールが「倍」ってのは、絶対、業界の思惑が沢山含まれてる気がする)
(お菓子業界の、バ○○タ○ン○○みたいなものやな)
(○レン○イ○デーなら、まだましやね、○ワ○トデーってなんや、アホか!)
(色々、あるけど、一番の長寿国家は日本やなかった?)
(無理してワイン飲まんでも、今まで通りの食生活が一番なんやなかろか・・・)
こんなこと考えながら、その赤を口にしたんですが、結構いい感じなんですね、これが・・・。
健康に良いかどうかは置いといて、ワインは「お酒」として、素晴らしい飲み物ですよね。
さて、この時のチーズも大変美味しくて、満足でした。
ふと箱を見ると、雪のマークが付いてるのを発見してしまいました。
(・・・・・・・大丈夫、っよねぇ?)
この前から、お酒の話ばっかりやなぁ
’02 春一番 竹田
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早春の風
- 2002-02-17 (日)
- Ultrablue
実家の庭にて、マーガレットを陸撮!
お気に入りのグラスとクリスタルな氷が奏でる透明な響きを耳にしながら
スライドにマウントされたリバーサルフィルムをライトボックスに載せてルーペで覗く至福のひととき。
カランと鳴るグラスには、「ズブロッカ」という酒が満たされてます。
フリーザーの中で約2週間、必要十分に冷やされたそのウオッカを口にする度に、
ポーランドの草原を駈ける、爽快なそよ風を感じさせてくれます。
昨日から職場に泊まったままで、今日の午前中まで仕事をしていました。
呪わしいくらい、一際クリアに晴れ渡った青空は、絶好のダイビング日和を予感させますが、
僕は今、この地でクルマのハンドルを握りながら、職場からの帰宅途中です。
学生時代によく聞いた、ピンクフロイドの懐かしいCDをBGMに、
(今日は部屋の掃除をして、布団を干そう)
そんな大決心を胸に、赤信号をぼんやり眺めてました。
天気は非常にいいのですが、やはりまだ2月です。
布団を干すために、ベランダまで出ると肌寒い空気が緩やかに舞ってます。
僕は、春めいた空を感じたくて、ジーンズとTシャツだけで外に出たことを、
ほんのちょっとだけ後悔しながら、伸縮性のある物干し竿をのばし、
(来週は絶対潜ろう)
って、お隣の柿の木を見ながら考えてました。
掃除機のコードリールを収納し、トイレ用の柄タワシを持ちながら
ポンプ式のスプレー洗剤をシュッ、シュッってしてると電子音が耳に飛び込んできました。
不思議ですね、トュルルルルルっていう、電話の音にも表情を読みとれるんですから・・・。
僕は、嫌な表情のその音源の受話器を取ります。
やはり、職場からの電話でした。
掃除を手早くすませて、再度出勤のために、愛車のイグニションをまわしました。
あきらめに似たため息に載せて、(今日の休みは終了)って、呟きながら、アクセルを踏みました。
この職場の玄関を出るのは本日2度目ですが、ようやく解き放たれました。
クルマの時計は、18:04を表示しています。
辺りは、やはり薄暗くなってました。
(先日、「サルガウドウ」で紛失したカルビナを補充しよう)
そう考えた僕は、信号を直進して、ホームセンターに向かい、色んなタイプのカルビナを手に取りながらも、 結局は今使ってるタイプのものを選びました。
これがしっくり手に馴染むんですよね。
それから、従来の短い指示棒を紛失した際に、長い方が使い勝手がいいと思って購入した指示棒用のステンレスの棒も、 やはり僕の手には余るので、従来と同様の短いタイプのものをレジに出しました。
夕食を済ませ、ガランとよそよそしい部屋の中で、
(今日は、ビールの気分じゃないな)
(そういえば、ズブロッカがあった)
(今日は、春を感じよう)
あたたかくなったらその封を切ろうと思って用意していた、ズブロッカを、 フリーザーから取り出しグラスにそそいだのが、冒頭の様子でした。
「さわやかな干し草や、春の花、タイムの葉やラベンダーのような風味があり味覚にやさしく心地が良い。
まるで月光の調べを聴いているようである」
William Somerset Maugham 「The Razor’s Edge」
3年前に、北海道で買った思い出深いグラスから奏でられる、ズブロッカの芳しい若草の香りが、
もうすぐ其処まできている春の息吹を感じさせています。
平成14年 早春 竹田
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名案内
- 2002-02-04 (月)
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柏島、後浜より帰港の途
December 23 ’01
どうもありがとうございました
それから、お世話になりました
それじゃあ、いつか、また・・・
平成14年1月31日 竹田
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感 謝
- 2001-12-20 (木)
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柏島、赤灯台を望む
もう少しで12月23日がやって来ます。
僕が初めてファンダイビングを行った日が、平成11年12月23日でした。
僕のダイビングは12月23日から始まり、翌年の12月22日で終わります。
今年もなんとか、1年を終えることが出来ました。
「なんとか」と、歯切れの悪いのは、5月におそらくベンズであろうと思われる肩の痛みを経験し、
左肩が上がらなくなったことや、8月の一切にて表層の強い潮流に流されて、
アンカー元に集合できず、皆さんにご迷惑をかけたことがあったこと、
年間通じて迷子になることが度々あり、独りぼっちになることがあったからです。
上がらなかった肩は、今は元に戻ってますが、ベンズを経験してからは、
安全な潜水と、日頃の健康管理に、気を付けるようになりました。何事も経験です。
まあ、色々ありましたが、今年は120回、柏島の海に潜ることが出来ました。
昨年に比べると回数こそ減ったものの、その内容は密度の濃いものとなったと思っています。
写真を始めたことにより、ダイビングスタイルが変わったこともありますが、
やはり、沢山の方々とお知り合いになれたことが、一番大きいですね。
それも、これも、僕にダイビングを教えて下さった、
今はマリンドリームのオーナーであり懇切丁寧なガイドの福留貴浩氏
フリッパーズの真のガイドの矢野雄二氏、同じく名ガイドの吉松浩司氏、
同じく昼食等のお世話をして下さる矢野典子氏、 水中写真の師匠の久保賀稔氏、
心より、感謝しております。
さて、来年度も継続して、柏島で潜ります。
皆様には、ご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、
まだまだ、初心者の僕を温かく見守ってあげて下さい。
平成13年 北風 竹田
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決 断
- 2001-12-04 (火)
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平成13年10月14日、後浜3.5号ブイに咲いていた Christmas Tree Worm
柔らかな電子音で、目覚めた早朝。
柏島へ向かう前の、いつもの高揚感はなく、頭が急に重く、体の重心が突如、頭頂部に移動したかのような
フラフラする感覚に不安を覚えました。
体調不良によりダイビングを休むことを余儀なくされた、12月1日(土)でした。
前日から、おかしいとは思っていましたが、やはり風邪を引いていたようです。
月曜日から始まる数々のイベントの事を考えた僕は、行くと決めたダイビングを、
初めて休む決断をしました。
意識もうろうの中、矢野さんに行けなくなった旨を伝える電話をしたのですが、
何故か病欠する事を職場に伝える時のような罪悪感に満たされて変な気持ちで受話器を置きました。
それから、僕は実家の布団の中に吸い込まれていきました。
それにしても、信じられないくらい寝ました。
そのお陰か、風邪は治りつつあるのですが、長時間寝過ぎた副作用の腰痛が僕を困らせています(笑)。
さて、今年のクリスマスイブは月曜日ですけど、お休みですね。
休みが取れれば僕は柏島で潜ってるんでしょうね。
いつもHP「群青」を見て頂いている皆様に、写真は「Christmas tree worm」です。
一足早いクリスマス、夜の静寂を感じて頂けたら幸いです。
因みに和名はご存じ「イバラカンザシ」なんですけどね。
平成13年 12月 竹田
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思 惑
- 2001-11-13 (火)
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平成13年9月23日、231回目のダイビングを終えたフリッパーズの洗い場にて
ゆっくり、ゆっくりと、浮上の為の手続きを一つ一つこなして、フリッパー号のタラップを上がります。
この浮上のための手続きも、数あるダイビングのお約束の一つで、 自分の身体を守るための重要なおまじないですよね。
そんなこんなで、3本目を終えた後は、更にお約束が待ってます。
一般に、器材の洗浄とかと呼ばれている手続きです。
(このお約束は、省く人もいらっしゃるようですが・・・)
春は、凍てつく水に、指先を縮め、
夏は、全身、藪蚊の餌食となり、
秋は、過ぎ去りし夏を憂い心を傷め、
冬は、その北西風の厳しさに頬を曝す。
ダイビングは大好きなのですが、唯一この最後のお約束だけは、好きになれません。
先日、BCを干しながら、こんな事を考えました。
おそらく、100人のダイバーがいて器材の洗浄が楽しくてたまらんダイバーは、
0.001人やと予想できる。
どちらでもない人は、1人として、残りの98.999人は嫌い、若しくは大嫌い。
器材洗浄は、嫌やけど、洗った方がええとはみんな考えてるはずや。
器材洗浄代行サービスとかあれば、僕は絶対利用する。
そしたら、ダイビングを終えた後、ゆっくりビールを楽しめる。
ついでに、器材の保管サービスもオプションで用意されてれば、僕は絶対、利用する。
重い器材を毎回運ばんでええし、遠くから定期的に来る人達にとっては、 頼もしい限りやんか?
洗ってくれて、管理もしてくれるんやから、こんなええ話はない。
98.999人のうち、80人は利用するやろうから、サービスの水道料金の節約や、
洗い場に対する設備投資の軽減にも貢献でき、サービスのオーナーさん達もニコニコやろう。
ひょっとして、ニュービジネスとして成り立つんとちゃうか?
柏島の各ダイビングサービスとタイアップして島に集うダイバーに快適なダイビングを
楽しんで貰うために、「器材洗浄サービス じゃばば柏島」 を興してみたらどうやろう。
もし僕が今の職場をポイされたら、この「じゃばば柏島」 でなんとか食べていけるやろか・・・。
帰港の途につく後浜沖合の風も波も、冬の厳しさを徐々に覗かせています。
11月ともなると、来るべき冬の準備を整えつつある、柏島です。
平成13年 晩秋 竹田
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責 任
- 2001-10-05 (金)
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平成13年8月25日、219回目のダイビングのエキジット直前、表層付近
平成13年9月26日、1頭の犬を捕獲した。
職場の建物建替え工事の建築現場に、1ヶ月位前から住み着いていた迷い犬で、 茶色のシベリアンハスキーの♀だ。
彼女は工事現場のオッちゃん達や、僕の職場の職員からもたいそう 可愛がられていた。
ところが、イヌが敷地内に居着いて、万が一の事があってはならないから、
捕獲後、処分するように・・・との指示が出た。
首輪をしていて、全然吠えなくて、つぶらな瞳で、人なつっこかったので、
誰かに飼われてたのだと思う。
あんなにおとなしくて、よく馴れた犬が、飼い主から逃げ出すとは考えづらいので、 何らかの理由で捨てられたのだろう。
僕の上司が連絡をしており、
前日の25日、市役所の担当課の職員が、野犬の捕獲檻を設置していった。
人に慣れて、素直な彼女は、何の疑いもなく僕の職場の職員の誘導に従って、
その檻に入ってしまった。
檻に鍵をかけるのは僕の役割だった。
南京錠を2ヶ所にはめたのだが、そんな僕にもしっぽを振って愛嬌を振りまいている。
その後、市役所に電話を入れるのも僕の役割となった。
そして、彼女はトラックにも素直に乗って、行ってしまった。
フリッパーズのマスコットのティナは、♀のゴールデンレトリーバーですが、
こんな大きな犬に近寄れるようになったのもダイビングのおかけでした。
基本的に、犬とか猫とかはあまり得意ではありません。
でも、何度も会ってるうちにティナだけは大丈夫になりました
別の犬はまだまだ、ですが、
そのシベリアンハスキーはなぜだか最初から、座って頭を撫でることができたのに・・・。
茶色のシベリアンハスキーは捕獲後、1週間経った今日、処分された。
僕は今、ヒトの計り知れないエゴに反吐が出る思いだ。
平成13年 秋冷 竹田
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再 会
- 2001-09-16 (日)
- Ultrablue
平成13年8月7日、216回目のダイビングを無事に終えた、帰りの船上
年間を通じて、柏島に通ってると、色々な方と顔見知りになります。
ゲストの皆様 もそうなんですが、将来を夢見る学生さんもそうです。
いわゆる現地サービスで、実習をされている方のことですです。
ゲストの誘導とか、ボートに関する様々なこと、水中でのサポートのこと、 更にダイビング終了後の接客のこと、その他僕にはわからない色々なことを 学ばれてるんだと思います。
そうやって、一つ一つ経験を積んで、彼らは世の中のに出ていく 準備をしているんですね。
写真のナイスガイは、実習生のシュン君です。
昨年夏と、今年の夏の2回、フリッパーズで実習をされました。
「去年初めて、あの山道をバスに乗ってここ(柏島)に来るときは、本当に不安でした」
とは、笑いながら昨年の事をふり返って僕に話す彼の言葉です。
今、僕の職場は、建物の建て替え工事を行っています。
事務所の窓から、木造の棟の解体の様子をぼんやり眺めてたんですが、 ユンボのベテランオペレータ氏は繊細なレバーさばきで、 次々と瓦礫となった棟をダンプカーに運んでいます。
次に若いオペレータ氏に交替するのですが、彼の操作はまだまだぎこちなく、 見ていて微笑ましいのでした。
太い梁を半分に折ってダンプに積みたいのですが彼の技術ではなかなか折れません。
外から、ベテラン氏が、色々アドバイスをしているのですが、思い通りにならないようです。
やがて現場のみんなが彼のオペレーションを見守るようになり、 5分程度の格闘の結果、その梁は、1/3と、2/3の位置で折る事が出来ました。
一見粗野な工事現場ですが、実際はみんな温かい人たちばかりでした。
フリッパーズもそうですね。
実習中のシュン君に対して、皆さん優しく接されてました。
ダイビング前に、炭酸飲料は呑まない方がいいことをアドバイスしたり・・・。
彼と一緒に潜るのはこの日が取り敢えず最後です。
僕は、またいつか、どこかの海での再会を約束して、柏島を後にしました。
平成13年 新涼 竹田
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残 暑
- 2001-08-17 (金)
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198回目、後浜1号ブイのケイソン近くにいた、イバラカンザシ
※写真と文は特に関係ありません
平成13年 残暑厳しい8月 竹田
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群 青
- 2001-06-12 (火)
- Ultrablue
そろそろ、私がこのページを「群青」とした理由を、明かしてみましょうか・・・。
-20mを保ちながら、しばらく進みました。
周りは青一色で、前方に白いフィンが一つ見えるだけです。
眼前には、多少の浮遊物が見えるのみで、その他は何もありません。
まさに海の中に、我々のみの時間が続きました。
と、前を進む白いフィンは深度を落としていきます。
僕は指示通り現在の深度を維持しながら、待機しています。
やがて、白いフィンは、海の底に吸い込まれていきました。
間もなく、下から、点滅するライトの光が見えました。
僕も、そのライトを目印にヘッドファーストで、潜行を開始します。
漆黒の闇の中を小さな光を目指して降りていきます。
間もなくそのライトの光も消灯されて、真の闇の世界が私を包みました。
まさに、「群青」の中に私一人。
ただそこに存在しているという感覚があるのみでした。
ゲージに視線を移すと確かに潜降しているのが分かります。
深度計が、どんどんカウントアップされています。
極度の視野狭窄、耳の奥底に聞こえる幻聴、著しい高揚感、 これらは明らかに窒素の影響でしょう。
自分をしっかり保ちながら、耳の圧平衡をとり、フィンで、海水を蹴ります。
やがて、ぼんやりと白い、巨大な物体が視界に入って来ました。
沈船が、その姿を現した瞬間です。
船首と船尾がかろうじて形あるのみで、胴体の部分は概ね、土に帰っているようでした。
かなりの存在感で我々を迎えてくれたその船は、どれだけの年月をそこに存在し続けたのでしょうか、 痛々しいくらいに海底と同化していました。
以上は
僕のログを元にしています。
平成13年6月 竹田
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