- 2001-06-12 (火) 1:10
- Ultrablue
そろそろ、私がこのページを「群青」とした理由を、明かしてみましょうか・・・。
-20mを保ちながら、しばらく進みました。
周りは青一色で、前方に白いフィンが一つ見えるだけです。
眼前には、多少の浮遊物が見えるのみで、その他は何もありません。
まさに海の中に、我々のみの時間が続きました。
と、前を進む白いフィンは深度を落としていきます。
僕は指示通り現在の深度を維持しながら、待機しています。
やがて、白いフィンは、海の底に吸い込まれていきました。
間もなく、下から、点滅するライトの光が見えました。
僕も、そのライトを目印にヘッドファーストで、潜行を開始します。
漆黒の闇の中を小さな光を目指して降りていきます。
間もなくそのライトの光も消灯されて、真の闇の世界が私を包みました。
まさに、「群青」の中に私一人。
ただそこに存在しているという感覚があるのみでした。
ゲージに視線を移すと確かに潜降しているのが分かります。
深度計が、どんどんカウントアップされています。
極度の視野狭窄、耳の奥底に聞こえる幻聴、著しい高揚感、 これらは明らかに窒素の影響でしょう。
自分をしっかり保ちながら、耳の圧平衡をとり、フィンで、海水を蹴ります。
やがて、ぼんやりと白い、巨大な物体が視界に入って来ました。
沈船が、その姿を現した瞬間です。
船首と船尾がかろうじて形あるのみで、胴体の部分は概ね、土に帰っているようでした。
かなりの存在感で我々を迎えてくれたその船は、どれだけの年月をそこに存在し続けたのでしょうか、 痛々しいくらいに海底と同化していました。
以上は
僕のログを元にしています。
平成13年6月 竹田
平成12年の師走、初めてレギュレータを口にしてちょうど1年を迎えようとしていた時のことです。
僕は、この132回目のダイビングにおいて、柏島の海にある、素晴らしい世界を再度確認しました。
その際の、非日常的な衝撃と、ひたすら無垢な感動は、正に「群青の海」がもたらしてくれたものでした。
ただし、これらの世界は、ディスプレイ越しのデジタル媒体では絶対にお伝えすることはできません。
僕のHP「群青」にある文書や画像は、残念なことですが、その素晴らしさの100分の1も表現してないでしょう。
ぜひ、ご自身の目で、耳で、実際に確かめて下さい。
きっと、僕が感じている素晴らしさを、ご理解いただけると思います。