July/13/'02 勤崎ニューポイント

私は、ベラ科のサカナで「イラ」と申します。
ダイバーからは相手にもされません。
というよりも、嫌われてます。

私は、ダイバーに対して別に悪いことをした覚えはありません。
でも、邪険にされてしまいます。
なぜなんでしょう?
アホなダイバーは、顔面のアップしか撮ることができませんが、
身体には、結構自信があります。
頭部のパープルから肩にかけてのオレンジ、イエロー、グリーンと鮮やかなグラデーションが自慢です。
また、胸のあたりに鮮やかなコントラストて走る白いラインが私の特徴です。
ええ、顔に関しては他のサカナに比べて、ちょっとだけ不細工な事も自覚しているつもりです。
でも、私が近くに行ったからって、何も手で振り払ったりしなくても良いと思いませんか?



海面に浮上後、フリッパーズ号のタラップに手をかけてボートに上がろうとしたところ、
ボート上で僕のカメラを受け取りながら、真のガイドの矢野氏がこう問い合わせてこられました。

矢)竹田さん、イラが近寄ってきて、いらいらしませんでしたか?
僕)・・・
矢)いらいらしませんか?
僕)は・・・、はい
矢)そうでしょう、そうでしょう(笑)

どうやら矢野さんは、ご自慢のオ○ジギャグをお披露目してる最中の様でした・・・。

それはさておき、ハゼ等の被写体をじっくり撮ってるときにイラがくると、
当然、身体のちっちゃいハゼは逃げます。
それで、フォト派ダイバーはイラを嫌うわけですね。


そう言えば私がカメラを持たないダイバーだった頃はイラが寄ってくると
けっこう嬉しかった記憶があります。
産卵期の卵を守る場合は攻撃のために近寄って来る個体もありますが、そうでない普通のサカナは、
ダイバーが近寄ると、必ず逃げます。
そうでもないのに、イラは、興味深げにマスクの近くまで寄ってきますから。
餌付けをしてるわけでもないのに、自ら近寄ってくる存在は貴重ですよ。

イラにしてみれば、威嚇してるのかもしれませんが・・・。

この写真は、別のサカナを撮ってるときにこのイラに邪魔されたので、
腹いせに至近距離から、ストロボを発光させて、目を眩ませてやったときの写真です。
その後は、僕に近寄らなくなりました。
ストロボピカピカ攻撃(?)が利いたようです。


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