未曾有




後浜にて
写真と本文は特に関係ありません




今年の梅雨は良く雨が降り、梅雨らしい天気が続いてます。
この調子だと、心配されてた四国の水不足は全く問題なさそうです。
さて、先日妻と車に乗ってたときの話しです。

オートキャンプ場が併設されたアウトドア系の公園で休憩を入れました。
休憩は僕が、いわゆるビッグビジネスを成立させることが目的です。
個室のドアを施錠して視線を足元やると、大きなヤブ蚊が横たわってました。
僕以前の、個室のユーザが退治してくれてたようで、前ユーザに感謝をしつつ落ち着いてました。
しばらくすると、同じように大きなヤブ蚊が4匹ほど次々と眼前に出現しました。
ブ〜ンと、くるぶしやお尻の近くを飛んだり、留まろうとしたりしてましたが、
牛がしっぽでハエを追い払うが如く、手で必死にヤブ蚊と攻防していました。

いわゆるビッグビジネスはまとまりつつあり、後は調印という段階で、
僕は、あってはならない光景を目の当たりにするのです。
ヤブ蚊が留まっているのです。
けっして女性には存在しない「それ」の左側面、付け根から先端のちょうど中間付近です。
「あり得ない、こんなことはある筈がない」
その様に心に繰り返しても、やはり現実にそのヤブ蚊は留まって足を上下に揺すっているのです。

場所が場所だけに、たたきのめすことができず、牛のしっぽ作戦で追い払いましたが、
ヤブ蚊達の怒濤の攻撃は止まるところを知りません。
「それ」に留まってる奴に気をとられていると、右大腿部に留まろうとしてる奴がいるし、
そいつを追っ払ってると、また右くるぶし付近を飛行してるし、
ビッグビジネスの契約成立どころではありませんでした。
ビジネスパートナーは、更に詳しい契約内容の説明を行おうとしましたが、
これ以上この場にいる事に危険を感じ、何より
「それ」をヤブ蚊に咬まれたという事がショックでなりませんでした。
調印後の作業もそこそこに、個室を後にしました。


車に戻って、ナビシートに座る妻に言いました。
「大変な事になった」
「どうしたの?」
妻は、心配そうに返してきました。
「蚊に喰い殺されるところやった」
「・・・また、大袈裟なことを、何があったのか心配したわ」
「いやいや・・・」と、事の顛末を伝えたら、半笑いで気遣ってくれました。
未曾有の珍事のため、妻のホームページのネタにしても良い事を申し出ましたが、
「そんなこと絶対書けない」と、あっけなく却下。
どうしても心に残る珍事やったので、敢えて発表することとしました。

その部分は、時間が経つごとに、むず痒くなってくるし、
掻けば大変なことになりそうやし、車を運転しながら凄く困ることになるのでした。