群 青

そろそろ、私がこのページを「群青」とした理由を、明かしてみましょうか・・・。
-20mを保ちながら、しばらく進みました。
周りは青一色で、前方に白いフィンが一つ見えるだけです。
眼前には、多少の浮遊物が見えるのみで、その他は何もありません。
まさに海の中に、我々のみの時間が続きました。
と、前を進む白いフィンは深度を落としていきます。
僕は指示通り現在の深度を維持しながら、待機しています。
やがて、白いフィンは、海の底に吸い込まれていきました。
間もなく、下から、点滅するライトの光が見えました。
僕も、そのライトを目印にヘッドファーストで、潜行を開始します。
漆黒の闇の中を小さな光を目指して降りていきます。
間もなくそのライトの光も消灯されて、真の闇の世界が私を包みました。
まさに、「群青」の中に私一人。
ただそこに存在しているという感覚があるのみでした。
ゲージに視線を移すと確かに潜降しているのが分かります。
深度計が、どんどんカウントアップされています。
極度の視野狭窄、耳の奥底に聞こえる幻聴、著しい高揚感、 これらは明らかに窒素の影響でしょう。
自分をしっかり保ちながら、耳の圧平衡をとり、フィンで、海水を蹴ります。
やがて、ぼんやりと白い、巨大な物体が視界に入って来ました。
沈船が、その姿を現した瞬間です。
船首と船尾がかろうじて形あるのみで、胴体の部分は概ね、土に帰っているようでした。
かなりの存在感で我々を迎えてくれたその船は、どれだけの年月をそこに存在し続けたのでしょうか、 痛々しいくらいに海底と同化していました。


以上は
僕のログを元にしています。
平成13年6月 竹田

続きを読む 群 青